先日、運動中にギックリ腰をしてしまった中学生の男の子が、
お母さんに連れられて来院してくださいました。
話を聞くと野球をやっているらしく
守備練習中ボールに向かって飛び込んだ際に痛めてしまい、
そこから前かがみにならないと歩けないほど痛くなってしまった
ということでした。
私も、国家資格を取得後25年近く治療家をやらせていただいておりますが、
ギックリ腰になる中学生は珍しく、おそらく今まで5~6人しか
診させて頂いたことがないと思います。
中学生のお父さんは鍼治療が大好きらしく
『鍼をうってもらってこい!』
と言われホームページで当院を見つけて来てくださったということでした。
問診時も腰が痛いからということもあるのでしょうが、表情が大変こわばっており
かなり緊張しているのがこちらにも伝わってきました。
そして、そろそろ治療に入りましょうという時に、
「先生…」
「鍼って痛いですか?」
とてもか細く野球少年とは思えないような声のトーンでした。
「多少チクっとするけど、はじめてだから細い鍼でやってあげるよ。」
と声を掛けベットに寝てもらい腰を触ると、じっとりと冷や汗をかいていました。
そして1本1本慎重に痛めている筋肉に鍼を刺しながら
「大丈夫?痛くない?」
と聞くと
「これぐらいの痛みなら平気です!」
想像以上に痛くなかった様で安心した表情でした。
治療後は落ち着きを取り戻し、腰も少し伸びるようになって帰っていき、
1週間後にはまた野球が出来るまでになりました。
実は私も野球少年であったということもあり、中学生の時に肩を壊して、
父親に連れられてはじめて鍼灸院に行った事を思い出しました。
その時私も彼の様に恐怖心まる出し、冷や汗かきまくりでしたが、
おじいちゃん先生がやさしく声掛けしてくださった事…
カイロのような温かい手で治療してくれた事…
近くにいた父親がビビッている僕をニヤニヤ笑いながら見ていた事…
今でも鍼治療初体験の事は忘れられない思い出ですねぇ