今まで仕事柄、何千、何万の人の足を見させて頂いてきたなかで
わりと頻繁に外反母趾の方と出会ってきました。
(女性だけでなく男性にも稀にいらっしゃいます。)
そして、外反母趾の方のお話を伺っていると
「ヒールが高い靴なんて履かないのに…」とか
「母親も外反母趾なんです!」
といったお話をよくしてくださいます。
皆さん勘違いしているよなと思う事が、
ハイヒールは外反母趾の直接的な原因にはならないと言うことです。
毎日のようにハイヒールを履いていてもならない人は沢山いますし
まったく履かないのになってしまう方もいるのです。
実は外反母趾は原因のほとんどが
「骨格」と「筋力低下」と考えられています。
「骨格」は両親のどちらかからもらってくると言われている為
親が外反母趾であれば、子供にもそこが似てしまう可能性はあります。
それと、「筋力低下」の原因としては裸足で歩く時間が減少してしまったことや、
ハイヒールに限らずデザイン重視で機能性がまったくない靴ばかり履いている事などが考えられます。
昔の人は下駄や雪駄(せった)といったシンプルな履き物を履いていたため
それだけで自然に足の筋肉が鍛えられ、現代人よりも足病になりにくかったのでは
ないかと言われています。
「骨格」を変えていくのはかなり難しい事ですが、低下している
「筋力」を付けていくことは月日はかかりますが誰でも可能なことです。
時間があったら裸足になって足の指をどんどん動かしてみたり、
靴底が硬く中敷きがシンプルで平な靴を選ぶなどして、足の筋肉を常に使うことを
注意していけば、徐々に外反母趾になりにくい足へと変化していき、
もし先天的な骨格からきているものだとしても、鍛えられた筋肉でカバーし痛みが出ない
足へ変えていける可能性も十分にあります。
当院では、治療以外でも正しい靴の選び方や履き方の指導をさせて頂いたり、
人間の解剖学に基づいてできたインソール(ハイヒールにもいれられます)
の販売もしていますので、いつでもご相談ください。